世界樹の迷宮(4)買い物ブギ

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今回はタイトル通り、戦闘無しの完全な日常シーンです。これぞRPGの醍醐味ですな。
まあなんともお約束通りの風景が展開されており恥ずかしい限りですが、序盤なんでこれもしょうがないと思ってください。パーティーのバランスがいいと展開も無難になっちゃうんだよねぇ。
(注:この文章は壁が考えた非公式の設定にもとづいて書かれています。皆さんのイメージと合わない場合は登場人物の思いこみということにしてください。)



朝7時。俺たちはエトリアの街に帰ってきた。
ウスター「なあ…、5時に起きる必要なかったんじゃないかい…?」
スジョーユ「…まさか2時間でここまでボロボロになるとは思わなかったからな…」
その2時間、スキルを撃ちっぱなしだった俺たちは、既に限界ギリギリの眠気と戦っていた。
タルタル「そうか?俺はまだまだいけるぜ」
…一人を除いて。っていうかこのセリフ昨日も聞いた気がする。
ウスター「お前もスキルを早く覚えろよ…」
コチュジャン「とにかく、早く宿に戻って一旦寝ましょう…。」
ようやく活気が出はじめた朝の街道を、のろのろと宿へ帰る俺たち。一人やかましいタルタルを含めて、決して日常にはしたくない光景だ。うん、やっぱり装備を調えよう。

ウスター「シリカちゃ~ん!会いたかったよ~!!」
シリカ「なにアナタ、また来たの?何も買わないんなら早く帰ってよね」
ウスター「そんなこと言わないでおくれよ。今日は俺たち装備を調えに…」
コチュジャン「こんにちはー」
シリカ「いらっしゃいコチュジャン!待ってたのよ!」
ウスター「え…シ、シリカちゃん…?」
真っ先に店に飛び込んでいったウスターがあっさりと玉砕するのを横目に、俺たちはぞろぞろとシリカの店に入っていった。コチュジャンとタルタルは昨日すでに一回素材を売りに来てるから、シリカとはすでに顔見知りなんだが、ウスターが前からここに通っていたことは、今始めて知った。
ウスター「ど、どうしてコチュジャンがいきなりあんなに親しくなってるんだ…」
スジョーユ「当たり前だろ。相手は商人だぞ。毎日ひやかしに来たって喜ばれるわけがない。名前を覚えて欲しかったら、商売をしろってことだよ」
ウスター「そうか…。よしスジョーユ、財布を俺に渡せ。シリカちゃんのためだ、この店の品物全部買ってやる」
スジョーユ「…お前にだけは死んでも渡さないことにするよ」
もともと冒険ギルド「チヨミリヨン」のリーダーとしては、財布を他人に渡す気はさらさらない。ちなみにうちの場合、冒険に出る前にメンバー全員から200enずつ集めて最初の資金にした。今のところ売った素材で黒字が出ているから、五人分1000enは俺が丸々手元に置いているという状態だ。だから買い物の際は、俺がメンバー全員の意見をまとめて、買う装備を決めるってことになる。んだが、シリカの店に着いた途端みんな全力でおねだりを始めた。お約束というかなんというか…。
タルタル「斧!斧買おうぜスジョーユ!すげえかっけーこの斧!」
シオ「やっぱりパラディンたる者、盾は必需品よ。これがあれば気合いが入るし、きっと私のフロントガードも強力になるわ!」
コチュジャン「弓です!弓があれば後衛でも有効な攻撃ができるはずです!お願いですスジョーユさん、弓を買って僕を後衛に下げてください!」
ウスター「なんでもいい!とにかく財布をこっちによこせ!」
こいつらの話を聞いてると金がいくらあっても足りそうにない。仕方ないから俺はメンバーを無視して、店主のシリカに話を聞くことにした。
スジョーユ「えーと、とりあえずどのへんから揃えるのがいいかな?」
シリカ「そうねぇ。武器から揃える人と防具から揃える人がいるけど…」
スジョーユ「防具で」
これまでの経験を考えれば、ここで武器ってのは無謀というものだ。
シリカ「じゃあレザーリングなんかオススメだよ。斬撃耐性がついてるからモグラなんかを相手にするには最高さ」
スジョーユ「へえ、いくら?」
シリカ「310en」
スジョーユ「高っ!」
三つ買ったらもう資金が尽きてしまう。もしものことを考えて、500enくらいは残しておきたい。
スジョーユ「悪いけどそいつは予算オーバーだ。100en以下で何か頼むよ」
シリカ「100en以下ねぇ…。リーフサンダルはどう?防御力とAGIが上がって、お値段たったの80en!」
スジョーユ「AGIが上がる?それ5個くれ!」
周囲で一斉にブーイングが起こるが、気にしてはいられない。攻撃速度が何より重要なことは今朝も痛感したばっかりだ。
スジョーユ「まだ200enほど余裕があるな…。よし、武器も少し買っておこう」
コチュジャン「弓です!弓!弓!」
タルタル「斧!斧!」
スジョーユ「じゃあそこの大型ナイフをひとつ」
『なんでー!!』
スジョーユ「これなら三人装備できて後々無駄になりにくいだろ。斧とか弓とかはもっと強力なやつが出回ってからだ」
不満げなメンバーに無理矢理サンダルを渡し、大型ナイフはタルタルに持たせることにする。
スジョーユ「ほら、これでお前がこのパーティーの攻撃の要だぞ」
タルタル「おおっ!ごつい!かっけー!」
ころっと大喜びするタルタル。こういう扱いやすい奴が一人でもいると助かる。
シリカ「毎度ありー!」
ウスター「また来るよシリカちゃーん!!待っていておくれー!」
シリカ「アハハ、待ってるよー」
うん、もう一人いた。
スジョーユ「よし、じゃあ次はケフトさんに薬を分けてもらいに行こう」
コチュジャン「うわ、自分の欲しいものはきっちり買うんですね…」
ぎく。
スジョーユ「そ、それは違うぞコチュジャン。むしろ俺は自分で治療できるんだから。俺が倒れたり、今朝みたいに医術を封じられたときのために薬がいるんだ」
コチュジャン「…ふーん…」
明らかに信じてない目で答えるコチュジャン。弓を買ってもらえなかったことをよっぽど恨んでいるらしい。それを見てシオが小声で話しかけてきた。
シオ「ちょっと、弓くらい買ってあげたら?」
スジョーユ「いや、それはできないわけがあるんだ。コチュジャンには言うなよ?」
俺もコチュジャンに聞こえないよう小声で話す。
スジョーユ「コチュジャンを後衛に下げると前衛が二人になるだろ?そうすると二人に攻撃が集中して、死人が出やすくなると思うんだよ。」
シオ「なるほど、基本的に攻撃を受けるのは前衛だもんね。コチュジャンがいてくれるおかげで攻撃が分散されて死ににくくなるのね」
コチュジャン「つまり僕は皆さんが攻撃を受けにくくするためのイケニエってことですね…」
スジョーユ「うわあぁ!コチュジャン!聞いてたのか!?」
シオ「違う違う!イケニエじゃなくて!盾というか人柱というか…」
スジョーユ「お前は黙れ!」
コチュジャン「スジョーユさんは鬼です。仲間の命を何とも思っていない悪魔です」
こうして(?)装備を調え、傷薬も手に入れた俺たち。これまで苦難の連続だった迷宮探索も、明日からは多少マシになるだろう。たぶん…。
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by kabehouse | 2007-01-23 10:08 | 世界樹の迷宮
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