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モラトリアムの春

今週からちょっと形式を変え、というか元に戻そうと思います。ぶっちゃけ毎号毎号感想書くのにも飽きてきたので、気になる一点を徹底的に集中攻撃することにします。この方式、ネタが無くなって書きたいときだけ書くってことにしたんですが、まただいぶネタがたまってきたのでしばらく戻してみようかと。

で、今週は主に「レンジマン」の二人について。結論から言おう、「好きになるのに理由なんていらない」って「こどものおもちゃ」で言ってた!…って違った。この問いに対する答えなんてどうでもいいんですよ。古来から何度となく繰り返されてきた愛とはなにか?好きになるとはどういうことか?と言う問いは、思春期を通り過ぎた人なら誰でもその答えを(言葉にはできなくても)知っているものであり、こういう青春ラブストーリー(…なのか?レンジマンは)では、キャラたちがどうやってそこに辿りつくかを楽しむのが正しいあり方ってもんですから。で、「レンジマン」の二人は素晴らしいですね。少年マンガではこういう答えの出にくい問いには、誰かから教えて貰ってさらっと流されることが多いんですが、こいつらの場合、教える役割にあたるブルー奥田拓郎がまだ恋を知らなかったりする。どちらもまだ恋とは何かなんか知らないけれど、そんなやつらが寄り集まって答えを探そうとする。少年マンガには珍しく正攻法で格闘してくれる感じが新鮮かつ好感触ですね。『どこが好きか』なんかグダグダ考えてるからお前は恋ができないんだブルー!とか、だからってそれも本当に恋してるかっつーとなんか違うぞレッド!とか、あの頃俺はどうすれば良かったんだろうとか…って最後の違う!それは知り合いにレッド(そっくりな男)がいる俺様だけだ!とにかくですね、ダメな奴(と言い切ってしまおう)が二人揃った、というこのシチュエーション自体がなんか心配なようで安心があって、不思議な面白さを持っているわけですね。意外とオギクボ博士もいいアドバイスくれたりしそうだし。

で、個人的にこの安心感ってすごく大事だと考えてます。ラブコメ、とくに学園ラブコメなんかの場合、きちんと庇護されているが故に漠然と『まあ色々あってもなんとか上手くやってくだろう』という感じで、無知や悩みやためらいを安心して見ていられる部分があって、それを保障しているのが周りにいる友人たちだと思うのですね。そう考えて「ハヤテ」を見ると、ヒナギクがすごく不安なんですよ。ほら、周りにいる奴らが全然役に立ちそうにないじゃないですか。ナギにはマリアさん、西沢さんにはワタルとサキさんという心強い味方がいるのに、ヒナギクの味方はなぜか神父。いや他にいるだろ!レツゴー三匹とか美しき社会科教師・雪路とか!お前らもうちょっと頑張れよ!もうちょっとでいいから!あとハヤテにも味方がいないとすごく不安です。なんか「大丈夫かこいつは?」って感じがします。「ブリザードアクセル」の吹雪と立花にも若干これと同じ不安定感があって、二人で恋と格闘してる感覚はビリビリ伝わってくるんですが、いかんせんそこに二人しかいないために、どこか安心して見ていられなかったり、若干嘘っぽかったりするんですね。気にしなきゃ気にならないレベルではありますが。

じゃあ「クロスゲーム」の場合はどうなのか。この場合、若葉という存在があるために、その記憶を共有する光が青葉の味方になっているという結構特殊な構造をとっています。青葉や光の周りになんとなく漂う不安定な感覚が、二人が一緒にいることで解消される。この、本来ヒーローとヒロインの関係ではない親友感覚が、青葉の死によって強固な安心とこれまた強い不安を感じさせるのですね。一人で泣いてるラストシーンがその両方を象徴していてグッと来ます。

てな感じで今週は、青春ラブストーリーにおける安心と不安について語ってみました。最後に今週わかったこと。

○カラスの世界は体育会系。
○コーさんの名付け親はハル。
○気体のモノバイルは体も気体。(グースさん(液体のモノバイル)は?)
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by kabehouse | 2006-08-28 10:23 | 少年サンデー

サンデー35号

今週は何度読んでも全く言うことなし!素直に面白かった!ただ一つ、「あいこら」最後の1ページを除いては!というわけで、今週の一コマは、358ページ2段ブチ抜き、「ザッ」の渋沢&辰巳。久々に無駄に格好良すぎだぜお前ら!特に今までずっとあやめ姫の子分だったはずなのに突如何の違和感もなくフェチ党幹部にまで上り詰めている辰巳が面白すぎです。
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by kabehouse | 2006-08-06 01:32 | 少年サンデー

時をかける少女




でんでんさんも超オススメの夏映画、「時をかける少女」(公式サイトはこちら)を観てきました。いや本当面白い。色々な見方ができて、それぞれに面白い映画なので、たぶん誰が観ても楽しめると思います。

ちなみに原作は筒井康隆の小説ですが、俺様は小学生の頃にちょっと読んでやめた(記憶があるんだけど、内容全然覚えてないし勘違いかもしれません)のでそのへんはさっぱりです。

まず一番真っ当な楽しみ方は青春映画として楽しむことでしょう。青春映画としてのこの作品の一番の特徴は、徹底した主人公視点にあります。オーバーなアニメ表現がなく、リアル路線に振られていることに加えて、常に主人公から見た友人たちの姿が描かれ、その描写も的確なため、かなり想像力が刺激され、裏切られることがありません。語らずに見せるという基本をハイレベルに実現した作りが、観ている間も観た後も存分に楽しませてくれます。期待を裏切らない真っ当な青春映画でありながら、そんじょそこらの青春映画とはひと味もふた味も違う完成度で、好きなら見なきゃ損です。

続いてSFとして見た場合。タイムリープ自体がテーマになっているわけではなく、ギミックとして扱われているわけですが、その使い方は結構ヒネリが効いていて、ニヤリとさせられること請け合いです。特に繰り返す時間の使い方が上手い。深く考えると多少ボロが出はしますが、それはSFの宿命(つーかそれもSFの楽しみの一つだと俺様は思う)ですし、深く考えさせない疾走感と説得力を持っているという点で良くできたSF映画になっています。

最後にキャラ萌え視点。主人公が見事な単細胞バカです。単細胞の一番の見せどころである、『立ち上がる単細胞』が堪能できます。単細胞の何がいいって、とんでもない失敗をしてズズーンと落ち込んで、それでももう一回走ろうと決めたらいきなりトップスピードに乗れる、その瞬間の加速が何よりいいんですよ。この作品ではその瞬間にギミックも加えてさらにドカンと盛り上げてくれるので、抜群の爽快感です。もちろん他の単細胞の見せどころ、『調子に乗る単細胞』や『信じる単細胞』も存分に味わえますので、単細胞好きなら必見です。そうでない人も見て単細胞にハマれ!…とは言いませんが、主人公がナチュラルに突っ走ってくれるおかげで世界全体の運動エネルギー(?)が大きく、友人たちもそれに乗ってものすごく魅力的になってますんで、是非一度観て頂きたいですね。徹底した主人公視点で友人たちの扱いはそれほど大きくないので、どちらかというと脇役好きな人向けかと思います。

蛇足ですが、この作品は劇場で観るべき作品でしょう。密な背景とシンプルな人物という描かれ方に加えて、広角視点が結構多いので大きいスクリーンで観た方が良いかと。加えて、終わった後まで興奮が続いて、そのまま色々と考えて楽しめるタイプの作品ですので、劇場で一気に見ないとちょっと楽しみが目減りしそうです。あと上映箇所が少ないので、朝イチとかを狙わないと混んでる危険性大です。

観た人にしかわからない感想(ネタバレ)
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by kabehouse | 2006-08-01 15:54