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これだけは言わせて

なんか重い話をいきなりしたせいでパワーも時間も使い果たしてしまいましたが。
一つだけ。

北方謙三の「水滸伝」、現在出てる八巻まで読みましたが。
面白すぎます。オタクくさく言うとガチで神です。
なんというかもう、読んでください。お願い読んで。

四巻までは普通に読めたんですがねぇ。五巻の途中からが駄目。止まりません。
結局六~八巻は一日一巻ペースでした。
ヤバイって明日朝早いんだってもう寝なきゃマズイっていい加減閉じろってゴメン無理。読む。
そんな日々。

これほど強大な敵を見たことがない。
これほど残酷な運命を見たことがない。
これほど固い友情を見たことがない。
これほど激しい愛を見たことがない。

つまり、筆舌に尽くしがたいということ。読んでください。
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by kabehouse | 2007-05-27 19:17 | 本棚

温故知新してみる。

どうも皆様お久しぶりです、壁でございます。
久々にブログを更新しているということは、本当はブログの更新なんかしている場合じゃないということです。でもな?やっぱブログの更新しなきゃ死んじまうよ俺様は!!というわけで最近実生活の狭間にモヤモヤと考えていたことを形にしようと思います。いかんせん狭間に考えた事なのでまとまりがなくてオチもありませんが。

まず、かつて荒木飛呂彦が講演会で語ったと言われる「マンガ地図」から話を始めたいと思います。俺様自身がこの講演会に参加したわけではないので、この地図の真意を得たい場合は文芸ジャンキー・パラダイス荒木飛呂彦先生・講演会ルポをご覧ください。俺様には図を作っている余裕はないので言葉で、壁流解釈に沿って説明することにします。この図は縦横の軸を持つグラフに漫画作品をプロットしたもので、横軸は左が「古典的な手法で描こうとしているリアリティ」すなわち西洋写実主義(リアル)、右が「表現主義的マークや記号的ファンタジー」すなわち東洋象徴主義(デフォルメ)という、主に作画技法を表す軸。縦軸は上が「心の内面や感情を主に表現するテーマを追ったもの」すなわち心情、テーマの表現(叙情)、下が「ストーリーや物語の構築に重きをおいたもの。『サスペンス』や『世界観を作り上げること』」すなわちストーリー、世界観の構築(叙事)という、主に方向性を表す軸です。この図の上に、荒木氏は数々の漫画の分布と「ジョジョ」の立ち位置を示しています。このようにその漫画がどこを向いているのかを考えることは、漫画を語る上で有効な手段の一つでしょう。

さて、現在の少年マンガの流行をこの地図で見てみましょう。例えば俺様が子供だった時代、1980年代後半と比べてみる(現在のベテランと若手を比べるのと大体同じです)と、より大きな変化が起きているのは横軸、作画の技法ではなく縦軸、方向性だと思われます。依然として主流はストーリーの面白さですが、徐々に心情、やテーマの描写が前に出てくる傾向が強くなってきていると感じられます。この変化を最も如実に表しているのが、主人公です。

かつて少年マンガの主人公は、精神的な強さと肉体的・社会的な弱さを持ったキャラクターとして描かれることがほとんどでした。が、現在では精神的な弱さを持ったキャラクターとして描かれることが増えてきています。これはもちろん少年マンガ自体が、主に肉体的・社会的な成長を描くものから精神的な成長をも同時に描くものへと徐々に変化しつつあることを示しています。例えば十威の人間形成というテーマを大きく掲げている「メテオド」がその現れであり、「結界師」における兄・正守ではなく弟・良守が方印を持つという設定も、兄に社会的な壁ではなく精神的な壁としての役割を多く意識させます。10年前のマンガであれば、正守が正統継承者であるという設定の方が主流だったのではないでしょうか。

この風潮は、少年マンガの多様化という面から見れば歓迎すべきことです。が、一方で、少年マンガの主人公は社会的弱者であって欲しいという気も少しします。言い換えれば、少年マンガの敵役は、世界全体を象徴するような強大な存在であって欲しい。少年マンガが内面的なテーマを持ち始めたことは、日本という国全体が社会的欲求・自我欲求のステップを終えて自己実現欲求に目を向け始めたということなのか、それともそう見える裏で子供たちの自我欲求が無視され始めているのか、ということをじっくりと見極めながら進まなければならないのでしょう。

歴史を振り返れば、少年マンガはこれから叙情的な表現を模索した後、やがて叙情と叙事のバランスが取れた状態に落ち着いて行くと予想されます。今そのただ中にいる子供たちが、少年マンガから何を読み取っているのか、我々上の世代は注意しておかなければならないのだと思います。
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by kabehouse | 2007-05-27 18:28