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少年サンデーから美少女を読み解く その2 スポーツ編

今週のサンデーでしばらく休載していた「KATSU!」が連載再開しました。なんだかんだ言っても先週までほっとする場所がなく、物足りない感じが少々あったので、落ち着いたって感じですね。あだち充といえばってことで、今週はサンデー連載陣からスポーツ漫画におけるヒロインと美少女について語っていきたいと思います。

スポーツ漫画にはヒロインがいらない、というのは今でもほぼ暗黙の了解として存在します。これはサンデーに限ったことではなく、ジャンプで連載中の「アイシールド21」とかマガジンの「はじめの一歩」などを見てもわかるでしょう。「いでじゅう」は少々極端な例ですが、新キャラ中山朔美の加入によって森桃里をヒロインとしたラブコメが加速するかと思いきや、県総体が始まって柔道モードに入ってしまい、女子の出番がほとんどなくなってしまいました。

これはなぜかというと、「ヒロイン=戦う理由」という等式が成り立つからです(もともとの英単語heroineの意味はこのさい無視してください)。ここで戦うというのは別に誰かを敵に回して能力を競うとか殴り合うとかではなく、ふりかかった難題を解決すること全般を指します。このように漫画全体をおおざっぱに単純化した場合、ヒーローとは戦う主体でありヒロインとは戦う目的である、といえます。例えば平和を守るために戦うのであれば、本来戦う目的は平和なのですが、それでは読者を引き込めないため、平和の象徴となるキャラクターを出そうということになり、少年マンガの場合、それが美少女であった方が絵になる(し読者が喜ぶ)からヒロインは美少女が多いわけです。

ところが、スポーツというものはもともと目的を必要としません。かつて登山家が「そこに山があるから登るのだ」といったように、特に明確な理由を設定しなくてもキャラクターはスポーツに打ち込むことができ、それは十分物語として成立します。「何のために『MAJOR』の茂野吾郎はここまでして野球をやるのか」などとは別に考えなくていいわけです。そして、多くのスポーツにおいて男女が同じ舞台に立つことがないため、女性キャラは基本的に出番が少なくなります。「モンキーターン」で割と女性キャラが活躍しているのは、舞台である競艇界では女性も同じ舞台に立つためなのです(もちろんラブストーリーをやってる時もありますが)。スポーツ漫画に美少女の出番が少ない背景にはこういったメカニズムが存在します。例えば同じ鍛えるにしても、「結界師」の墨村良守は時音を守るという明確な目的を持っているために、ヒロインとして扱われる雪村時音は十分出番があるのに対し、「ケンイチ」の白浜兼一はただ強くなるために戦っている(スポーツとして武道を学んでいる)節が強いので、風林寺美羽はなかなかヒロインにならず、出番が少ないわけです。

そのスポーツ漫画に新風を吹き込んだのがご存じあだち充です。「タッチ」が有名ですが、「KATSU!」でも、主人公里山活樹ははっきりとヒロイン水谷香月のためにボクシングを(今のところ)しています。活樹とボクシングをより明確につないでいるぶん「タッチ」の浅倉南よりも水谷香月の役割は大きいかも知れません。今後どのような役割を演じていくのか、注目であります。
# by kabehouse | 2004-06-24 16:04 | 少年サンデー

ガンプラを買いに

久々に発作が起こりました。ガンプラ作りたい!

きっかけは数日前に友人から送られてきた写メールで、そこには凛々しいモビルスモー シルバータイプの姿がありました。「なんでいまさらターンエー?」と思いつつもうらやましくてしかたがない俺様。その時点で初期症状は現れ始め、飾ってあるHGUCゼータとMk-Ⅱとジ・Oのポーズを変えて遊び、ついには販促のガンプラカタログを出してきました。買う気まんまん。

「やっぱFAZZ良いなあ。でも高いしでかいし。7月に入ったら百式とフリーダムが出るから今はさくっと組めるやつを・・・。でも久々にきっちりつくりたいから1/100の方がいいなあ」

俺様としては軽くてポーズがつけやすい1/144のほうが好きなのですが、作る際にはやはり1/100のほうがやりやすいです。

「そういやリックディアスが出来が良いんだっけ。でもズゴックも良いらしいからなあ。うーん、やっぱモノアイいいなあ。ガンダムタイプはステイメンいるからいいや」

そう、俺様はGP03Sステイメンが大好きなのです(オーキスは嫌い)。あの各所にビシッと入った黒いラインと背面のボリューム感がたまりません。今も我が家で一番いいポジションにいるのはステイメンです。FAZZも捨てがたいけど。

「よし、ここはダイスの神様に聞こう」

ダイス振った結果、次のガンプラはMGケンプファーに決定! そして今日、午後がぱかっと空いたのでソフマップへGOなのです。待っていろよケンプファー!
# by kabehouse | 2004-06-23 15:27

VENUS&BRAVES

今日また思い知った。やっぱりPCゲームは疲れる。特に工画堂のゲームは!あああPS2がやりたいい!でも期待の「モンキーターン」は7月1日発売・・・。というわけで久しく封印されていた「VENUS&BRAVES」を再度投入。どうみても6月中に終わるゲームじゃないぞ!どうする気だ俺様!

ナムコのVENUS&BRAVESの店頭デモを見たときは戦慄が走りました。
「100年の歴史、1000の勇者、あなたに預けましょう。」(うろおぼえ)
主人公は精霊の血を飲んで不老不死となった戦士。女神から預言書を預かり、災厄を回避するため、騎士団を率いて100年という長い長い歴史を戦い抜く。やべえ、スケールでかすぎだ!

基本システムは「7(セブン)~モールモースの騎兵隊~」から引き継がれたもので、7にはまった俺様としては当然マストアイテムでした。このシステム、マジですごいです。それまでシミュレーションRPGといえばシミュレーションをベースに育成などの要素を加えたものであり、大半がボリューム過多のバランスの悪いものでした。しかし7では、3×4のマス目に14人のユニットの中から7人を配置するという思い切った手法で、簡潔かつ戦略性の高いシステムが作り出されました。この小規模な部隊において、プレイヤーはキャラクターの顔を見ながら(同じ職種なら同じ顔ですが)配置し、成長を見守り、老いた者を解雇し、新たな戦力と入れ替えていきます。それはまったく新しい感覚の、いわばRPGに立脚したシミュレーションRPGのようなもので、その絵本のような世界観とともに感動を呼びました。

そしてVENUS&BRAVESは、まったく同じシステムを用いながら、がらりと印象を変えて見せました。重厚かつスタイリッシュな世界観、壮大なスケール。100年の時の流れを感じさせる、ナムコらしい硬派なパワーアップ。特にストーリー展開は秀逸で、何度やってもボロボロ泣けます。演出もめちゃくちゃ上手いしバランスも良いし、自信を持って傑作と呼べる作品です。

時間がふんだんに使える方は是非「VENUS&BRAVES」を、そうでない方は是非「7」を。シミュレーションなんてやったことのない方にも、普通のシミュレーションに飽きるほどやった方にも、間違いなくお薦めします。
# by kabehouse | 2004-06-19 15:26 | ゲーム

サムライジですべてを忘れる

今日も本屋で漫画を漁る俺様。BECK19巻エディ・リー追悼エディションもモチのロンで手に入れましたが、それと同時にサムライジ最終4巻を手に入れましたので、ここぞとばかりにサムライジ(秋田書店チャンピオンコミックス、原作倉田英之、漫画山田秋太郎)をご紹介するのであります。

このサムライジというマンガ、正直面白くはない。かといって面白くないとも言い難いという困った奴なのであります。実際打ちきりです。あとがきにも書いてありますが、未消化の部分が多すぎです(結果として1巻の表紙が主人公とチョイ役のツーショット)。それでも、そんなことはどうでも良いと思わせてしまうマンガです。スクライドを知っている方ならそれに近い感覚です。ってスクライド知ってるならサムライジも知ってるわな(爆)。連載時に一、二話を読んだときには「おお、これは久々に面白いのでは?」と思わせたんですが、知らないうちに終わっていた、良くも悪くもチャンピオンらしいマンガです。

まずは主人公の斬山斬十郎(名前がすでに…)なんですが、最初は「この地味な主人公、なかなか絶妙な大人っぽさなんでないかい?」と思っていたら、どんどん幼くなっていって、6話目あたりですっかりガキんちょに。1巻買ってページめくったときには思わず「誰やねん」と言いましたよ、俺様は。で、敵に向かっていって石につまずいてこける。戦闘シーンは格好良いのに、戦う前の構えが変。最終話の決めポーズがもっと変。にも関わらず、言うことがいちいち格好良い。やることなすこと格好良い。格好良すぎ。もう格好良いからいいや、みたいな感じです。

もともと主人公がこんなんですから、展開もえらいことになってます。敵役のセブンはパワーアップして超(ウルトラ)セブンになる(しかもキラキラしてる)わ、親父は強すぎだわ、徳川光圀は「ミッキーと呼んでくれッ」とか言い出すわ、主人公は月まで行くわ、巨大化するわ、増えるわ、チャンピオンのマンガに慣れてない人なら腰を抜かすんじゃないかというくらいのぶっ飛び方。上から下までケレン味のかたまり。チャンピオンならではの微妙な下ネタとか、読めない当て字とか、気にするのも馬鹿らしくなって、もうどうでもいいや、お前らステキだから許す、という気分にさせてくれます。

なんかもう少し言いようがあるような気もするんですが、読めば読むほど何でもよくなってくるんで、このへんにしときます。自分で楽しむのはいいけど、あんまり他人に薦めたくはならない、そんなマンガです。話のネタにでも1巻を読んでみて、主人公が出てきたら「誰やねん」と言いましょう(笑)。最後にひとつ、1巻だけ読むとアホみたいに面白いです。
# by kabehouse | 2004-06-18 11:49 | 本棚

少年サンデーから美少女を読み解く その1

先週、今週とサンデーはなにやら示し合わせたようにラブコメ全開です。なぜか逆行するかのようにスポ根を走る「いでじゅう」と、サンデーの秘蔵っ子小山愛子の読み切りも気になるところですが、ヒロイン研究家の俺様としては、美少女について語るチャンスを逃すわけにはいきません(ホントはヒロインと美少女は違うけど、そのへんはまた今度)。というわけで、今週は基本となる10種の美少女タイプを覚えましょう!

その1はかつて少年マンガを支え続けた「アイドルタイプ」。ほとんど過去の存在となっており、「BF」の本庄さん(下の名前忘れた)は貴重な例です。出番少ないけど、それはアイドルタイプの宿命であると同時にサンデーにおける美少女の宿命なので我慢です。

その2、「悪友タイプ」もしくは「振り回し系」と呼ばれるタイプ。「からくり」の阿紫花れんげなど。「改蔵」の名取羽美もこのタイプと言えるような、言えないような…。

その3は永遠不滅の「委員長タイプ」。「からくり」の阿紫花百合とかもいますが、何と言っても「美鳥」の綾瀬貴子がそのものズバリ(委員長ではないらしい)。直球勝負にもほどがあります。今週の「美鳥」は恥ずかしくて読めません。

その4はただ今人気絶頂の「妹タイプ」。最近は変な亜種がいっぱい出てきてよくわかりません。サンデーには「いでじゅう」の中山朔美がいますが、このコは正統派なので安心して見られます。「ミノル小林」の小林ミハルは…どうなんでしょう…?

その5はまたまた定番「幼馴染みタイプ」。「コナン」の毛利蘭がコレ。ここまでやっといて「別に変な意味じゃ…」とか言ってしまうあたりが幼馴染みの幼馴染みたるゆえんですな。「結界師」の雪村時音も今のところここに分類されます。

その6の「お嬢様タイプ」はインパクトの割に実例が少ないです。「いでじゅう」の綾川苺は確かにお嬢ですがあんまりお嬢様っぽくありません。どっちかというと阪本真綾(昔出てきて苺の座を狙っていた人)のほうがそんな感じです。やられ役ですな。

その7「お姫様タイプ」になるともっと少なくなります。先の綾川苺が近いかもしれません。箸より重い物を持ったことがない感じの人々ですな。「D-LIVE」の室田雅さんを入れたいところですが、あまりに露出が少ないのでやめておきましょう。

その8「妻タイプ」はどちらかというと最近出てきたくちで、サンデーでいうと「美鳥」の春日野美鳥です。今のところベタベタなキャラが多いので今後の研究が待たれるカテゴリです。

その9「天然タイプ」、別名「癒し系」。いわゆるボケキャラで、どこにでもいる…い…いない!?サンデーには天然がいない!?美羽?美羽は天然?いや、リーゼだ!「からくり」のリーゼがきっと天然!…出番少ないけど。

ラストその10は「優等生タイプ」。最近綾波モドキが多くて(落ち着いてきたけど)困りものですが、「からくり」の阿紫花菊が正統派です。他に「コナン」の灰原哀とか「こわしや」の國生春菜。

ごらんの通り、サンデーには正統派美少女が各種揃っています。もちろん未分類の領域に属する美少女もちらほら。「KATSU!」の水谷香月とかね(あだちヒロインは懐が深い…)。ところが、今週読み切りを描いてる小山愛子のマンガには美少女が出てきません。今回のもそうですが、サンデー超で連載してたときもいませんでしたねえ。非常に珍しいタイプと言えます。もともと美少女の出番が少ない(「MAJOR」とか)サンデーですが、美少女不在のマンガが果たして受け入れられるか否か?ヒロイン研究家として注目したいところです。
# by kabehouse | 2004-06-17 12:02 | 少年サンデー